武蔵野市・三鷹市・小金井市・西東京市・調布市・府中市・杉並区で訪問看護・訪問リハビリをお探しならうきよ訪問看護ステーションへお任せください。

うきよ訪問看護ステーション

BLOG

2025年07月07日 [作業療法士K]

”作業療法士K”のガチで解説シリーズ Aひざ痛対処方法編

皆様、おはこんばんにちは。
うきよ訪問看護ステーションの作業療法士Kです。

今回のテーマは、前回の続きとなるひざ痛対処方法編となります。
これを知っていれば、自分自身のケアはもちろん
患者様やご利用者様にアドバイスすることも可能ですよ!
では、さっそく行ってみましょう。ウキウキ♪リハビリテーション!

対処方法を伝える前に、とても大事なこと

前回、ひざ痛の原因についてお話しました。
では、なぜ原因を知ることが必要なのかについて最初にお伝えしたいと思います。
それは、「原因が違うと対処方法も違うから」です。
もっと言うと「原因が同じでも病期(発症してどれくらい経過したか)で対象方法も違うから」です。
よって、同じ疾患や状態の利用者様がいたとしても、
それぞれで本当に今必要な治療や対処方法は変わってきます。
やはり、理学療法士や作業療法士による専門性の高い評価が必要だと言えます。
それを念頭に置きながら、読み進めていってもらえたらと思います。

リハビリテーション目線でのひざ痛への対処方法

❶大腿四頭筋の強化
やはりひざ痛対処方法の一丁目一番地と言えば、筋力トレーニングになるかと思います。
どこの筋力を強化すると良いのかについては、専門的な評価によって判断することが
必要ですが、基本中の基本としては、大腿四頭筋の筋力トレーニングが重要となります。

前回の@原因編でお話したように、痛みの対処をするに当たって、
アライメントという概念が非常に重要です。
言い換えると、筋力のバランスが重要ということにもなります。
筋肉は骨に付いている訳ですから、筋力の差が生まれることで、
骨を引っ張る力の均衡が破綻し、アライメントの崩れにつながります。

下の図を見てください。
青い矢印の方が強い筋力を有していると、そちら側に骨が引っ張られてしまいます。
結果、右側の図のように下の骨との位置関係が崩れてしまいます。


つまり、大腿四頭筋の筋力強化だけではなく、対となる筋肉の強化も必要となってきます。
大腿四頭筋と対をなす筋肉の名前はご存じでしょうか!?

そうです!その通り!みんな大好き大腿二頭筋ですね!
この筋肉にも、Quad(クアド)のように通称があります。
聞いたことがある方も多いと思います。そう! ”biceps femoris”ですね!

え?聞いたことがない?失礼しました。こっちでした。
そう!”Hamstrings(ハムストリングス)”です!よく、”ハムス”と呼ばれますね。
正確に申し上げますと、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つの筋肉の総称を
ハムストリングスと呼んでいます。


それでは、具体的にどうトレーニングするのかをお伝えしていきます。

大腿四頭筋の筋力トレーニング法
大腿四頭筋が働くとひざの関節を伸ばす方向に動きます。
つまり、ひざを伸ばす運動をすることで筋肉の収縮を促すことができます。

ただ、やはりひざが痛いのにひざを動かしてトレーニングするのは辛いので、
ひざを動かさなくても良い、痛みを出さなくても良い方法をまず紹介します。

@Quad Setting

まず最初にお伝えする方法は、Quad Setting(クアド セッティング)です。
パテラ セッティングとも呼ばれます。パテラとは膝のお皿の骨(膝蓋骨)のことです。
変形性膝関節症で痛みが出ている方はパテラの位置関係(アライメントですね!)が
崩れていることが多いです。

クアド セッティングを行うことで、大腿四頭筋の筋力を改善しながら
パテラのアライメントを調整し、痛みの除去を図る方法になります。


❶床に座るか、仰向けに寝て、ひざを伸ばします。

❷トレーニングする方の膝の下に丸めたタオル(タオルロール)を置きます。
 ゴムボール等でもOKです。
 軽くひざが曲がった状態になるかと思います。

❸ひざの裏側でタオルをつぶすように力を入れていきます。
 タオルをつぶした状態を5秒間ほどキープします。

❹5秒経過したら、ゆっくりと力を抜き最初の姿勢に戻します。

❺1セット10回程度を目安に、1日3セット程行います。


いかがでしょうか?
この方法であれば、ひざ関節を大きく動かす必要がなく運動ができます。
ひざの痛みがある方でも運動しやすい方法となっております。

ひざの痛みがある方は、屈曲拘縮(ひざをまっすぐ伸ばせなくなっている状態)による
メカニカルストレスが原因であるという研究もあります。
ひざを伸ばしきる方向に運動するクアド セッティングはこのメカニカルストレスの増加を
防止する効果も期待できますので是非やってみてください。

AStraight Leg Rising(SLR)

次にご紹介する方法はSLR(ストレートレッグライジング)です。
なんか、響きがカッコいいですね。
ミニ四駆のマシン名みたい。(世代じゃない方はごめんなさい💦)
作業療法士Kの年齢がバレる・・・

SLRは読んで字の如く
ストレート=真っ直ぐ
レッグ=脚
ライジング=上げる
です。
脚を真っ直ぐに保ったまま上げるという運動になります。
大腿四頭筋の中でも主に大腿直筋に対して収縮が得やすいです。


ポイントとしては
❶上げる側の脚のひざ関節は真っ直ぐ伸ばしたまま行う
❷上げる側と反対の脚はひざを曲げた姿勢で行うと腰部への負担が少ない
❸反動をつけずにゆっくりと上げる


この方法についても、ひざ関節を伸ばしたまま運動が行えます。
ひざを動かすと痛いという方でも行いやすいです。

ただ、自重とはいえ負荷が大きいと感じる場合もありますので
無理のない範囲で行うほうが良いでしょう。

ほかにも方法はたくさんありますが、まずはこの2つの運動を紹介させていただきました!

ハムストリングスの筋力トレーニング法
どんどんいきますよー!お次はハムストリングスのトレーニング方法です。
ハムストリングスの役割はいろいろありますが、
分かりやすいのはひざ関節を曲げる作用です。
他にも、股関節の伸展(股関節をお尻側へ曲げること)や
脚の回旋動作などの作用があります。
外側への回旋を外旋、内側への回旋を内旋と言います。
このあたりの伸展や外旋と言った言葉の定義は、
リハビリテーションの大学や専門学校に入学して1年生の最初に習う内容です。
なので、バリバリピカピカの1年生でも常識的に知っている言葉になります。


@ヒールスライド
簡単にできるハムストリングスのトレーニングとしては、ヒールスライドがあります。
言葉の意味そのままですが、かかとを滑らせて行うトレーニングです。

❶椅子に腰掛けます。

❷両足のひざを軽く伸ばした状態にします。

❸トレーニングする側の足を反対側の足の上に置きます。
 トレーニングしない側の足の裏は床に着いた状態です。

❹上に乗せた足のひざ関節を曲げて、トレーニングしない側の足をかかとを使って自分の方へ引きます。
  この時、トレーニングしない側の足は力を入れないようにします。

❺最初の姿勢に戻って繰り返し。
 足を変えてそれぞれ10回を1セットとし、1日3セット程度行います。


力を入れているときに、太ももの裏を自分で触ってみると、
筋肉が固くなっているのが分かると思います。
固くなっていれば、きちんとトレーニングができていることの証明になります。

次回予告
長くなってしまうので、今回はここまで!
次回は、ハムストリングスのストレッチ方法とその効果についてお伝えする予定です!
実は、ハムストリングスが固くなると腰痛が起こるってご存じでした?
腰痛にお困りの方にも耳得ですので、次回も是非読んでみてください。

作業療法士Kでしたー!それではまた次回お会いしましょう〜!
ウキウキ♪リハビリテーション!

PageTop